医者と患者の間でおきる薬の誤解

内科医師著

病気を治すために重要なのは「薬」です。しかし、薬は正しく使われないと効果を発揮しません。「薬あるある」なのは“座薬を座って飲んだ”という話。あの大きさを飲み込むことはとても大変だと思うのですが、思い込みというのは怖いものです。ここではさらに、私が見聞きした「薬の誤解」について紹介したいと思います。

「食後」って書いてあったから。

まじめな患者さんであればあるほど、薬の説明書に忠実だったりします。それはもちろん悪いことではありませんが、それが時に薬を処方した医師の意図と異なったりします。1日3回、毎食後で処方された薬。その患者さんは毎月きちんと通院され、約1年、数値も安定している「優秀な患者」でした。そこで医師は「1年間数値が安定しているので、薬を1日2回に減らしましょうか。」と提案したところ、患者さんから思わぬ返事。「あ、先生。僕もともと朝晩の2食なんで、1日2回しか飲んでいませんでした。」1年後の思わぬ告白です。余った薬は廃棄していたそうです。

そのほかによくあるのは、「眠前と書いてある薬、昼に寝て夜中に働く日はいつ飲めばいいんですか?」という質問です。(薬によって異なるので、主治医か薬剤師さんに確認してくださいね。)

「点滴」って中身は何?

いつも通り歩いて診察室に入ってきた患者。最近あったことをしゃべり尽くしたあと、「そういえば、風邪気味なんで、先生点滴してくださいよ。」「?点滴ってなんの点滴ですか?」「元気の出るやつ。」そういうアバウトな患者さんもいるかと思えば、「抗生剤の点滴してください。」「ちゃちゃっと熱を下げる点滴をしてください。」「去年の4月にやったヤツ」と薬を指定してくる方もいます。

逆もあります。とにかく訴えの多い患者さん。話を聞いても診察しても特に異常がないのですが、とにかく「点滴をしないとよくならない」と思い込んでいるので大変です。仕方がないので、対応した先生は「では、症状が消えるような点滴をしましょう。」使ったのは糖分の入った点滴です。でも、この点滴は体にとってはジュースを飲むのと、何ら変わりありません。本来嘔吐などで水分がとれない人に使う点滴ですが、その患者さんは点滴が終わると「楽になりました!」と帰っていきました。点滴依存症とでもいうのでしょうか。正しい点滴の使い方ではないかもしれませんが、患者さんの症状が消えたので、許してもらうことにします。

この例は極端にしても、案外点滴の中にどんな薬が入っているのかに関心のない人は多いです。「夜中におなかが痛かったので、救急病院に行き、点滴をしたら楽になりました。」と報告はしてくださるのですが、「その点滴にはどんな薬が入っていたのですか?」と聞くと「わかりません。」というのです。薬の名前までは覚えてなくてもいいのですが、抗生剤なのか、痛み止めなのか、お腹の動きをおさえる薬なのかがわかると、主治医にとってはとても有用な情報になります。

最近では病院の領収書と一緒に検査や治療内容が細かく書いてある明細書ももらえることが多くなりました。かかりつけではないところで検査や治療を受けた場合は、この明細書と薬の説明書を保存しておいて、かかりつけ医に見せるようにしましょう。

「薬の副作用が怖い」

以前は診察してもらった病院で薬をもらって帰ることが多かったので、薬について疑問や不安が出てきたときは、すぐに病院で聞くことができました。ところが最近は院外処方といって診察は病院で、薬は病院の外にある薬局で、という形が増えています。

院外の薬局で薬を受け取るときには薬剤師さんが丁寧に「この薬は血圧の薬です。」などと説明をしてくれますが、同時に「こんな副作用が出ることもあるので、気をつけてください。」という説明も受けます。またさらには、薬についての説明用紙まで薬と一緒にもらえます。口頭で薬の説明を聞いても全部は覚えていられないので、紙で頂けるのはとてもありがたいのですが、患者さんの中にはこの用紙を隅々まで読むと、副作用のことばかりが気になってしまい、結局次に外来に来た時に「前回もらった薬、説明書に〇〇という副作用があると書いてあったので、飲むのをやめておきました。」と言われます。極端なことを言えば、日本で1人、その副作用と思われる症状が出た場合でも、説明書には「副作用:××」と書かれてしまうのですが。

似たようなお話で、20歳代の若い女性が胃の痛みが続くということで来院され、胃カメラの検査を受けることになりました。予約を取り、「では、検査当日までに承諾書にサインをして持ってきてくださいね。」と帰っていただいたのですが、後日検査のキャンセルの電話が入りました。理由は「承諾書に胃カメラでの死亡率が0.0001%と書いてあるから。」とのこと。1%で100人に1人ですから、0.0001%とは1,000,000人(100万人)に1人ということです。その確率よりはよっぽど胃潰瘍や胃がんが見つかる可能性のほうが高いと思うのですが(計算上20歳代前半で胃がんを発症する確率は100万人あたり11.7人です)。ちなみにある調査では30年間で交通事故で死亡する確率は0.2%(1,000人あたり2人)らしいですが、そういう人は外も歩かないんでしょうか?

話が脱線しましたが、今はすべての情報を公表する流れになっていますが、正しく理解しないと、「その薬を飲んでいればこの病気になるのは予防できたのに、非常にまれな副作用を怖がって薬を飲まなかった。」という患者も医者も後悔する結果になってしまうかもしれません。 平均寿命はここ50年で50歳台から80歳台へと伸びました。その理由の1つには薬を含めた医学の進歩があります。薬は正しく使えば人間の強力な武器なのです。医師としては、どんな些細なことでも薬について疑問や不安があれば、質問していただけると助かり

 

(ブログをお読みいただいた皆様へ)

“私たちは日々の健康を維持するために様々な活動をしております。
毎日の健康に役立つ情報を配信し社会貢献に努めて参ります。“

みんなの合同会社 一同

画像をアップロード

プロロム ヴォーダ商品紹介

セルビアで古くから飲み継がれた、
健康増進抑石温泉水。
プロロムヴォーダはスーッと染み入るような、くせのない飲み心地が特徴的な温泉水です。