腸内細菌と性格

 海野竜也 工学博士

脳腸相関や鬱病と腸内細菌の関係のトピックでも紹介しましたが脳の働きが腸内細菌に影響を受けていることを示唆する報告が数多く出ています。また、過敏性腸症候群でもストレスや緊張することで腸の調子がおかしくなることも紹介しました。腸内細菌が脳に関係していると考えられる根拠が二つあります。一つは腸内細菌がドーパミンやGABAなどの神経伝達物質を作れるということです。これまでに少なくとも23属の腸内細菌が心配性、鬱病、総合失調症と相関があると報告されています。二つ目は神経細胞が腸に集中しているため腸への刺激が迷走神経を経由して脳に伝わりやすくなっていることです。脳に影響を当るということは即ち私たちの性格にも影響を与えているのではないでしょうか。

2020年の1月に腸内細菌と性格の相関を調べた研究が報告されています。イギリスのオックスフォード大学です。18歳以上の655人の成人を対象に行われました。男女の比率は3対7です。腸内細菌叢の解析には糞便から抽出されたDNAが用いられております。性格の判断は国際的にも使われている性格判断のためのアンケート(International Personality Item Pool)を利用して外向性(活発で外交的)、情緒不安定性(心配性でうろたえ安い)、開放性(新しい事が好き)、勤勉性(しっかりしていて自分に厳しい)、協調性(配慮ができる、揉め事を嫌う)の5つのタイプに判別しました。人の性格に影響を与えるであろう他の要素も分析に含まれています。

例えば生活習慣、性別、社会的地位などです。まだ、性格とは別に腸内細菌叢に影響を与える要素(抗生剤服用の記録、食習慣、帝王切開か自然分娩か、母乳で育ったか粉ミルクか)も分析に含まれています。
こういったアンケートの結果と腸内細菌の相関を調べるときは細菌一つずつの量を見るのではなく腸内細菌叢の多様性を数値化して、腸内細菌叢の多様性が高いか低いかを調べます。生態学者のシャノンという人が提案した手法により腸内細菌の多様性を数値化します。数値化された腸内細菌の多様性とアンケートの結果を分析し、どういった性格や行動、ライフスタイルなどが相関を示すのか分析しました。一般的にわかっていることは健康な人ほど、この腸内細菌の多様性の数値が高く、ことがわかっています。

統計分析の結果、面白いことが何点か分かりました。健康面では睡眠の質が高く病気にかかりづらい人は腸内細菌の多様性が高く、逆に肥満や糖尿、メタボ、自閉症、うつ病の人は多様性が低いです。粉ミルクで育った人、飲酒の回数が多い人、抗生剤の服用歴が長い人、胃炎や癌を経験した人、病原菌に感染する頻度が高い人、免疫疾患がある人は腸内細菌の多様性と負の相関を示しました。

食生活の面ではサプリメントの摂取が多く乳製品を食べないと腸内細菌の多様性が低く、乳酸菌や食物繊維の多い食事をしている人や食事の多様性が高い人は腸内細菌の多様性は高いです。一般に乳酸菌と食物繊維の摂取方法は食事かサプリの2通りなのですが、サプリでは腸内細菌の多様性が高くならないことが分かりました。サプリに頼り、食事を厳かにしてはいけないということですね。

行動面では人付き合いの多い社会性のある人の場合は腸内細菌の多様性が高く、心配、ストレス、協調性の無い人は腸内細菌の多様性が低いです。そのほかの要因を見てみますと興味深いことに「外国に旅行する回数」も腸内細菌の多様性と正の相関を示しています。旅行によるリフレッシュの効果なのでしょうか。または社交性が反映されたからなのでしょうか。

ついでですが、女性や雇用のない人、兄弟姉妹の多い人、犬を飼っている人は腸内細菌の多様性が低かったそうです。女性の場合ホルモンのバランスが男性とは違うためそうなのでしょうが、兄弟姉妹が多いと腸内細菌の多様性が少ないということは面白い相関です。やっぱりストレスなのでしょうか。また、犬を飼うと癒されて腸内細菌の多様性が増えると思ったのですが、逆でした。ちなみに猫を飼っている人は腸内細菌の多様性は少し高くなっていました。
具体的にどの細菌と相関を示しているかというと、7つの細菌属に相関が見られましてアッカーマンシアが多いと人に打ち解けやすい性格であること、コリネバクテリウムが多いと心配やストレスが減ること、乳酸菌の一種であるラクトコッカスやストレプトコッカスそれと酪酸産生菌であるオシロスピラが多いと社交性が高いことが分かりました。

反対に硫化水素を発生するデスルホビブリオやステレラが多いと社交性が下がることが分かりました。単純に相関を見ただけの論文に見えますが実際にはかなり丁寧に統計処理がされていて、それだけ信用性の高い論文だと思います。
腸内細菌が人の性格に影響しているのか人の性格が腸内細菌に影響しているのか、どちらが先かは分かりませんが、動物を用いた糞便移植の実験では腸内細菌叢が変わることで動物のストレスの感じ方や不安度、記憶力が変わることが分かります。

有名な例ではおっとり型のマウスBalb/cと攻撃的なマウスNIH swissの間で糞便移植を行うと性格が入れ替わることが報告されています。今回の研究結果から最も効率の良い腸内細菌叢の改善方法が「食事」であり「サプリ」ではないことが分かり、腸内細菌叢を改善することで人生が「明るく楽しい」と感じられるようになることが示唆されました。

つまり、健康な食事は私たちのメンタルの維持にも重要であるということですね。以外に引きこもりの原因は社会環境ではなくコンビニ食やインスタントの繰り返しによる腸内細菌の多様性の減少なのかもしれませんね。

 

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