新型コロナウイルスで各地に広がるアジア人差別のニュースで思うこと

アメリカ在住医師著

連日新型コロナウイルスとその感染範囲の拡大がニュースになっています。

そんな中で、ウイルス感染に関連したアジア人差別についてのニュースを耳にするようになってきました。

1月30日にワシントン州にあるコストコで人種差別があったとニュースになりました。感染予防のためにマスクをしていたアジア系アメリカ人の8歳の男の子が、試食サービススタンドの女性従業員から「中国から来たのか?あっちに行け!」と罵倒されたのです。ワシントン州はアメリカで初めての感染者が確認された場所です。学校でも他の生徒がマスクをしているのを見たため、男の子はマスクをしていたそうです。

自分の子供がもし、こんな差別を受けたらどう対処したらいいのでしょうか?

彼の父親は、近くにいた店員の上司とコストコのCEOにこの出来事を報告し、さらにツイッターにこの事を投稿しました。

店舗などの商業施設内で従業員から差別を受けた場合は、店にいる上司と、さらに経営責任者にもクレームを入れるというのは確かに有効な手段だと思います。

報道では問題の女性従業員はコストコの正社員ではなく、派遣社員だったとのことですが、派遣会社の上司からお咎めが当然あったことと思います。

ツイッターに投稿するということに関しては、個人的に賛成とも反対とも言えないのですが、差別問題は拡散されやすく社会からの注目を集め、世論を味方につけやすいという利点はあるかもしれません。しかしネット上には人種差別主義の人も少なからずいるため、二次的に差別を受けるリスクがあります。日本語でツイートする分にはそこまで問題ないのかもしれないですが、メリットもデメリットもあると言えるでしょう。

1月26日にアメリカのアリゾナ州立大学(ASU)関係者が新型コロナウイルスに感染したという報道がありました。この出来事以降、ASUに在籍するアジア人の学生たちと、他の学生の間に大きな変化がありました。教室内で避けられたり、冗談のネタにされたり、大学構内で仲間外れにされるというのです。また、アジア人の学生が咳をすると、教室にいる学生たちから変な目で見られてしまうため、咳をするのが怖いという声も聞かれます。中国人ではないアジア人の学生でも、隣の席に誰も座ろうとしなくなったとのことですが、中国からの留学生は特に影響を受けているようです。

2万人以上の学生がASUに対して、さらなる安全対策と情報開示を求める嘆願書に署名したようですが、大学としても対応に苦慮していることと思います。

もし留学中の大学で差別を受けた場合はどこに相談するべきなのでしょうか、基本的には学生課など、大学側に相談すべきです。もしお子さんが海外の学校に通っていて、学校でひどいいじめに遭ったら、その場合も親御さんはまずは学校に訴えるべきでしょう。

そんなことを思っていたところ、カルフォルニア大学バークレー校の保険医療サービスが、「アジア出身の外国人へ嫌悪感を持つことは「普通の反応だ」」とインスタグラムに投稿して問題になりました。

新型コロナウイルスの感染拡大に対して、不安や無力感の他に、こういった嫌悪感を持つことは普通の反応だと投稿したものですが、「人種差別を容認するものだ」という非難を受けて、大炎上しました。後に大学側は投稿を削除した上で、謝罪しています。

オフィシャルな投稿で、随分軽率な発言をしてしまったなという印象ですが、本音がつい漏れてしまったというところが本当のところなのではないでしょうか。

感染すると死ぬかもしれないウイルスで、治療薬もない、対応策は予防のみ。この事実は恐怖を駆り立てるのには十分だと思います。

中国国内では武漢出身者が差別され、日本国内では中国人が差別され、欧米ではアジア人が差別される。悲しいですが、最近のニュースを見ていると、感染が拡がるのと同時に差別も拡がっているように思います。

特に身近に感染者が出たという情報は人々の警戒心を高める傾向があり、差別が起きやすい状況を生んでしまうのではないかと思います。

欧米人から見ると中国人も日本人も韓国人も見分けがつきません。感染しないためには中国人のように見える人からは遠ざかっていたほうが安心という感情が生まれてしまうのは「普通の反応」とは言わないですが、致し方がないことなのかもしれません。

幸いにして、筆者が住んでいる地域はまだ近くで感染者の報告がないのと、観光客もめったに来ないという土地柄もあるのか、以前と違う態度で接してくる人は今のところいません。でも、同じ地域で感染者が一人でも確認されると空気感ががらりと変わってしまうのかもしれません。

アメリカでは今、インフルエンザが大流行しているので、外出後は必ず、手洗いと嗽(うがい)をするようにしていますが、今のところ私は外出する際にマスクを着用していません。そして、近所のスーパーに行っても、地元の人は誰もマスクをしていません。ただ、これには地域差があるようで、コロナウイルス感染が確認されたオレンジ郡ではマスクが品切れになっており、街を歩く人にはマスクをしている人もいるようです。

2月5日にニューヨークの地下鉄でマスクをしたアジア人女性が黒人に襲われたというニュースが飛び込んできました。近くにいた人が一部始終を撮影して動画をネットにアップしたため、かなり衝撃的なこの映像はあっという間に世の中に拡がりました。

「病気持ち」、「俺に触るな」と罵倒した上で、手や脚や傘で殴る蹴るの暴行を行っており、新型コロナウイルスに関連したヘイトクライム(増悪犯罪)の可能性があると言われています。ニューヨーク市警は女性に被害を届け出るように呼びかけています。暴力行為は明らかな犯罪なので、暴力を含む差別を受けることが万が一あれば、すぐに警察に行くべきです。

ヘイトクライムとは人種、宗教、出身国、性、性同一性障害などへの増悪が原因となっている犯罪のことを言います。ちなみに、アメリカには各州にヘイトクライムに対する法的規制が導入されており、ヘイトクライムが立証されると、通常の犯罪よりも罪状が重くなります。

マスクをしていたせいで犯罪に巻き込まれるとは、考えたくもないことですが、アジア人がマスクをしているのを目にすると、新型コロナウイルスに既に感染しているのではないかという恐怖を相手に与えてしまう可能性は十分あると思います。

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は元気な人がウイルス感染予防のためにフェイスマスクをすることを推奨していません。そして、既に症状がある人や、医療従事者、有症状の人を身近でお世話する人はマスクをする必要があるとしています。

CDCのコメントには、多くの人が適切なマスクの使い方を知らないという背景があるからだとか、本当に必要な人にマスクが行き渡らないようにならないため、とする意見もあります。

実際に報道されている程、身近なところで差別が拡がっているという意識は今のところないのですが、欧米で不用意にマスクをして外出すると、体調が悪いのに出歩いているというイメージを相手に与えてしまうのかもしれません。

タイでは保健相が「マスクをしようとしない西洋人は国外退去させるべき」と発言して、これまた差別発言だと叩かれていましたが、お国が変わると物事に対する考え方が違うため、その辺りは柔軟に対応する必要がありそうです。

 

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